溶接の方法はいろいろありますが、今回は素人の方でもやりやすい「半自動アーク溶接」についてカンタンに説明します。
ハンダ付けや接着剤とどう違う?
半自動アーク溶接のカンタンな図を書いてみました。
よくハンダと間違われるのですが、接着剤のようにくっつけるのではなく、Aという鉄とBという鉄と溶接用のハリガネを電気放電の熱で「溶けこませて」一体とさせているんです。
手元のボタンを押すと、ワイヤ(溶接用ハリガネ)が先っぽから出て、溶接したい鉄に触れるとそこでアーク放電がおこります。
小さな雷をおこしている!
アーク放電とは、身近なものでいうと、蛍光灯のなかでおこっている放電と同類で、わかりやすくいうと、小さな雷をワイヤの先っぽと鉄の間にバチっとおこしています。
そのときの熱で鉄を溶かしているのです。
放電というと怖いイメージがありますが、ずぶ濡れの手で作業しない限り感電することはありません。
お家でコンセントは濡れた手で差し込まないようにしましょう、ということと同じです。
鉄の溶ける温度は1,538度
このアーク放電で、どれくらいの熱を鉄に与えるかというと、だいたい鉄の融点である1,538度~2,800度です。
一瞬で1,500度で鉄を溶かし、混ざり合って冷えて固まります。
ですので、溶接したてはものすごく熱いです。
鉄の表面の色が赤くなり始めるのが800度以上ですから、見た目はそうでなくても、素手で触ってはいけません。
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たとえば同じ車でも、子どもでも乗れるゴーカートのようなものから、大人でも免許がないと乗れない大きなトラックまでいろいろあります。
溶接もそれと同じように、電源の大きさで子どもでもできるものから、職人さんしか使えないものまでいろいろあります。