金属と金属を溶接してくっつけるときに、バチバチと出る火花の中心の強い光を直接見てはいけません。
溶接の光のことをアーク光(あーくこう)といいます。
アーク光を直接たくさん見てしまった場合、白内障という目の病気になったり、目だけでなく露出した皮膚は長時間当たると日焼けを通り越してヤケドをしてしまいます。
アーク光(あーくこう)に含まれているもの
溶接の光は「アーク光」といい、青白く見える部分には「可視光線」という目に見える光の他に、「紫外線」と「赤外線」という見えない光も含んでいます。
紫外線(しがいせん)
身近なもので言えば・・・太陽の光に含まれる、日焼けの原因となる強い波長と同じです。
素人の方の溶接体験教室で使う溶接の光は、職人さんが出す光よりも弱くしてあります。
しかし、長時間その紫外線を見ていると目に炎症を引き起こして目が痛くなります。軽い場合は自然に治りますが・・・
赤外線(せきがいせん)
紫外線と同じように、赤外線は目に見えない光です。
身近な物では・・・木炭から出る遠赤外線やリモコンの送信などに使われています。
しかし、こちらも長い間メガネもなく見ていると、目の病気に繋がります。
このように、実は「紫外線」も「赤外線」も、普段の生活の中でたくさん触れている光線なのです。
しかし「太陽は直接見たらダメ!」といった当たり前の感覚で、アーク光とも上手に接していきましょう。
アーク光から防御する3つの方法
アーク光は、溶接作業をしている人だけでなく、周りで見ている人も注意しないといけません。
①溶接遮光面(ようせつしゃこうめん)をつける
溶接の光から目や皮膚を守ってくれるのが溶接遮光面(ようせつしゃこうめん)、または溶接面といいます。
その溶接面を通して溶接の光を見ましょう。
溶接面には大きく分類して2つの種類があります。
まずこちらは手持ちの溶接面です。普段は真っ黒のガラスを通して見て、溶接の強い光だけが見えます。
普段は真っ黒なので、作業にはカンが必要です。なので素人さんには扱いが難しいです。
こちらのタイプは自動遮光面といって、普段は普通に見えるガラスですが、アーク光を察知すると一瞬で真っ黒のガラスに変わる、魔法のような溶接面です。お子様でも溶接の光に接することができます。
また、万が一アーク光を見てしまっても、最低限、普通のメガネ(度付き、度なしどちらでも)をかけていれば、光が屈折するので防御力が少し上がります。
②遮光(しゃこう)ついたて越しに見る
周りで見ている人で、溶接面がなくても、こういった遮光(しゃこう)ついたて越しにアーク光を見ることが可能です。
なるべく溶接していない人はついたての中に入っていましょう。
アイアンプラネットでは写真のような青いついたてがあります。
③皮膚の露出に注意する
皮膚に大きな火花が当たってヤケドをすることはまれですが、それよりも半袖や半ズボンなどで溶接をすると、露出したところが日焼けしてしまいます。
強い太陽に当たっている状態なので、ひどい時にはヤケドしてしまいます。
実は、職人さん達が使う本格的な溶接機で強い溶接をする場合には、日焼け止めクリームを塗って作業をしたりもします。
しかし、それに比べて溶接体験での素人さん向けの溶接作業は、弱い光なのでそこまでではありません。
「火花による直接的なヤケド」と、「光線による間接的なヤケド」を防ぐために、汚れてもいい長袖、長ズボンで臨んでください。
もちろん、アイアンプラネットでは防護服をご用意してあります。
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アイアンプラネットが今のところ不定期で行っている溶接体験では、上記のような点に充分注意して作業して頂いています。
溶接作業でケガをするよりも、交通事故にあわれる確率の方が高いでしょうが、交通事故もルールなどの最低限の知識をしっかり把握していないと事故につながります。
上記の溶接の光に関する最低限の知識は身に付けておきましょう。